最近Threadsを見ていると、歯科に関する投稿がかなり荒れている印象があります。
インスタグラムと同じMetaのSNSなので利用者層は似ているはずですが、投稿の雰囲気はかなり違います。
インスタは比較的きれいな投稿やポジティブな内容が多く、ある意味で建前のコミュニケーションが中心になりやすいSNSです。
一方で、Threadsは思ったことをそのまま書く人が多く、歯科医院に対する不満や疑問がかなり率直に投稿されています。
旧Twitterでも、流石にここまではなかったかもしれません。

治療への不満
歯科医院への不信感
説明への疑問

こういった内容がそのまま書かれていることも多く、正直なところ、見ていて気持ちの良い投稿ばかりではありません。(時折、投稿に対して真っ向からやり合っている人も見かけますね)
しかし視点を変えると、そこには患者さんの本音があるということ。
荒れるということは、それだけ本音がぶつかっているんです。
歯科医院の中ではなかなか聞くことができない、患者さんのリアルな声が実際そこにあるのです。

例えば実際過去に見かけた内容です。

「セラミックにした途端割れた、銀歯のままで良かった。」

実際にはセラミックが割れる理由としては歯ぎしり、食いしばりといった咬合力も関係してくると思いますが、患者さん視点では「セラミックにしたら割れた」という事実だけが残ります。
そしてその結果として「銀歯の方が良かった」という結論になってしまうのです。
ここには歯科医療と患者認識のギャップがあります。

ここで考えなければいけないのは、患者さんの投稿が正しい内容かどうかではありません。重要なのは、なぜその認識になったのかという点です。
多くの場合、患者さんは噛み合わせの話を詳しくは知りません。
そして残念ながら、その部分まで丁寧に説明されていないケースも少なくありません。
その結果、患者さんの中では「セラミック=弱い」という単純な認識が生まれてしまいます。

本来であればセラミックが割れたという事実は、噛み合わせに問題があるサインである可能性もあります。
金属の場合、壊れないことによってその負荷が歯根にいき、最悪の場合は歯が割れていたかもしれない。
しかしその背景が説明されていなければ、患者さんは素材だけで判断してしまいます。
このような誤解は、決して珍しいことではありません。
今までももちろん伝えていましたが、このThreadsの投稿がきっかけで今まで以上に伝えるようになったのが、次のトークです。

「すぐに割れるようなことはもちろんないと思いますが、絶対に壊れないものはありません。
もし、割れることがあるとすれば、それは相当な力がかかっているということです。その場合はナイトガード同様、歯を守って割れてくれたと解釈できます。
金属は確かに壊れませんが、セラミックが壊れるほどの力が、その分歯にかかっているということです。
菌は自分の努力次第なところがありますが、咬合はどうしようもなく、テコ入れが必要です。
セラミックが割れるほどの力がかかるのなら、その時は噛み合わせの治療(矯正治療)を視野に入れるサインだと思ってください。
もちろん、かと言って割れやすいのも問題なので、保険のプラスチックではなくセラミックが一番バランスが取れていると思います。」


ここでThreadsのようなSNSを見る意味が出てきます。
SNSの投稿は必ずしも医学的に正しいとは限りません。しかしそこには、患者さんが実際にどう感じているのかという心理が現れています。

どこで不安になるのか。
どこで誤解が生まれるのか。
どこで不信感が生まれるのか。

こういった情報は診療室の中だけではなかなか見えません。しかしSNSでは本音が出ることが多く、そこにカウンセリングのヒントが多く隠れています。
つまりThreadsの投稿は患者さんの誤解であると同時に、歯科側の説明不足を映している側面もあるということです。

私自身、Threadsを積極的に使うつもりはありません。
ただ患者心理を知る材料として、ほぼ見る専で活用しています。(今回のポイントは「やるべき」ではなく「見るべき」SNSです)
すると患者さんがどこで誤解するのか、どこで不安になるのかが見えてきます。
それを知るだけでもカウンセリングの説明は大きく変わります。
患者さんが不安に思いやすいポイントを先回りして説明できるようになるからです。
これは実際にかなり効果があります。
患者さんの疑問を先回りして説明できると、納得感も安心感も大きく変わります。

いかがでしょうか。
荒れているSNSを見るとネガティブな投稿が多く、あまり見たくないと感じることもあると思います。
しかし、そこには明確な患者さんの本音があります。歯科医院の中では決して聞くことができない、心の声です。
その声を知り対策することで、カウンセリングの質は確実に上がりますし、マーケティングにだって活かせます。
Threadsを使う必要はありません。ただ、患者心理を知る材料として少し覗いてみるのも一つの方法かもしれません。
ちなみにですが、TikTokのコメント欄Yahoo知恵袋もかなり本音が出ていますので、ぜひ参考になさってください。
いつもご覧いただきありがとうございます。

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