自費を選択いただくために、症例を掲載したり、学術を修めたり、様々な発信をされたりするかと思います。
これは一言で言えば「過去の実績を見せる」行為です。
正しいです。間違いではありません。
信用していただくために、実績を見せることは重要です。
しかしながら、それだけではなかなか選んでいただくことは難しいでしょう。
なぜなら、これらの行動は「信用」には至りますが、「信頼」には達しないからです。
そう、自費を選んでいただくために「信用」以上に重要なのは「信頼」です。

自費コンサルにおいて、多くの医院が無意識に混同しているものがあります。
それが「信用」「信頼」です。
この二つは似ているようで、実は役割も重みもまったく異なります。
そして、高額自費が決まるかどうかは、この違いを理解しているかに大きく左右されます。
信用は「この人はちゃんとしていそう」という過去評価(今までの実績ベースの判断)です。
信頼は「この人に任せたい」という未来委任(これからを預ける判断)です。
患者様が自費治療を選ぶ瞬間は、実は信用ではなく信頼で意思決定されています。

信用とは、過去の行動の積み重ねから生まれます。
「説明が分かりやすい」「知識がある」「症例数が多い」「話が論理的である」
こういった要素は全て信用を高めます。
つまり信用とは、「この人は正しそうだ」という確率評価(失敗しなさそうという予測)です。
しかしここにはまだ、患者さんの感情的な委任、簡単に言えば不安を任せる気持ちは含まれていません。
信頼がなく信用がある状態とは、理解はしていても決断にはまだ至らない状態です。
多くのカウンセリングがここで止まっている印象を受けます。

一方で信頼とは、未来に対する委任、つまりまだ起きていない結果を預けることです。
まだ結果が出ていないにも関わらず任せる状態です。
患者さんは「この人なら大丈夫だろう」という安心感を含めて投資します。
信頼は説明の正しさではなく、意図の誠実さ(本当に自分のためか)で成立します。
つまり「この人は自分のために動いてくれる」と感じた瞬間に生まれます。
ここでは論理よりも気持ちの読み取りが重視されます。

信用は比較されます
他院と比べられる対象です。(インプラント症例数年間100本 VS 10本など)
一方で信頼は比較されません。唯一の関係性です。
人は「過去の実績」を比較するのですが、「この人に任せたい」という感情は比較できません。
実績よりも、「この人だから」と感情が上回ること、ありませんか?
これだけ価格競争が起きている中、価格を超えて選ばれるカウンセリングは信頼に到達していると言えます。
自費が決まるかどうかの分岐点はここにあります。

信用は積み上げ・貯金型で、どんどん加算されていきます。
例えば、症例、知識、説明力、資料などで増えていきます。
しかし信頼はある瞬間に生まれるもので、その後の対応次第では失われていきます
これは、正しい説明だけでは起きません。
共感、姿勢、向き合い方などの関係性要素(態度や関わり方)によって発生します。
そしてその後の関わり方次第で失われていきます。

では、つまりどうすればよいのでしょうか。
重要なのは、信用を作ることではなく、信頼を生むことです。
① 正しい説明をする前に、不安を扱う(先に気持ちを扱う)ことで警戒を解く
② 決して否定をせず共感する
③ とにかく安心を伝え、専門性を証明する
④ 患者さんの未来をともに考える共有時間
⑤ 患者さん自身で選択をする
信用は安心の材料(判断材料)です。
 例) 任せても問題なさそうかな?
信頼は決断の理由(最後の一押し)であり、信頼があると任せたくなります。
 例) この人にお願いしたい

誤解しないでいただきたいのが、自費コンサルの本質は説得ではありません。
納得していただき、委任を成立させること(任せてもらうこと)です。
信用は説得・かけた時間で増えます。
信頼は関係性で生まれます。
信用だけでは「良い説明でした」で終わります。
信頼が生まれた時、「お願いします」に変わり、契約となります。
そのため、資料や説明の質だけでは限界があります。
患者様の不安をどう扱ったかが信頼を生みます。
何よりもまず、触れるべき問題です。

いかがでしょうか。
自費コンサルにおいて重要なのは、説明の上手さだけではなく「任せてもよい」と思っていただける関係性です。
信用はこれまでの実績、信頼とはこれからを預ける判断という解釈です。
信用があると「理解」は生まれます。
信頼があると「納得」「決断」が生まれます。
患者さんが選ぶのは、情報の多さではなく「この人に任せたいかどうか」です。
そのため、自費が決まるかどうかは、知識量や説明力だけにフォーカスするのではなく、信頼をどう設計するかも重要です。
次回は、経験豊富なTCでもなく、カリスマ営業でもない一人の受付スタッフが、どのようにして信頼関係を築き、1,000万円の契約をいただくことができたのか?その実話をお話しします。
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