最近、立て続けに何件か「特定の人に頼らずオペレーションやシステムで契約率、自費率を大幅に上げたい」というご相談をいただきました。
自費契約率と自費率について、高めていきたいというお考えはよく聞きます。売上はもちろんですがチェアタイムにも影響するため、経営において、かなり重要になってくる要素です。
さて、では果たして「特定の人に頼らず大幅アップ」は可能なのでしょうか?
単刀直入に申しますと、ある程度は可能です。
しかし、極端に高いラインはなかなか難しいと思います。

そもそも、この自費率・契約率ですが、医院規模を拡大すればするほど、本来は下がっていく傾向にあります。
「いやそんなことないだろ」
「拡大しても自費率が良いところを知っている」
という意見もあるかと思います。
確かにそういうところもあります。しかしながら「ある」というだけで決して多くはありません。むしろ少数です。
実際、私の周りでは「下がった」という声の方が圧倒的に多いです。
ではなぜ、拡大すれば契約率や自費率は下がっていくのでしょうか?

まず、自費率・契約率・拡大の定義について、すり合わせをしましょう。

【自費率の定義】
売上全体に対しての自費額の割合とします。
例)売上1,000万円に対し自費が400万だと、自費率40%

【契約率の定義】
自費コンサルを行なった数に対しての契約になった数の割合とします。
例)10件の自費コンサルに対し6件契約となった場合、契約率60%

【拡大の定義】
勤務医が増えることを拡大とします。

では本題です。
自費コンサルは、やれば誰でも彼でも契約を取れるか、と言われればそれは絶対に無理ですし、それはみなさんが一番わかっていることだと思います。コンサルは「誰がやるか?」が最も大きな要素です。
つまり自費コンサルは完全に属人性に偏った業務になるということです。
この時点で、「人に頼らない」という前提が崩壊します。
医院規模が小さいうち(ドクターが院長だけ)は、それこそできる人が一人いれば十分に回るでしょう。
院長だけでも問題ないかもしれません。

ですが、規模拡大するとどうでしょうか?
ドクターが増えて、チェアが増えて、初診が増えて、一人でコンサルするにはキャパが足りなくなってきます。
すると、もう一人コンサルできる人間が必要になります。そこまでは問題ありません。問題なのは、それすら飛び越えて、「全ての人間にある程度できるようになってもらおう」と考えることです。気持ちはわかります。ですが、立ち止まって考えてください。
その場合、果たして契約率を見たらどうでしょうか?全員が高い契約率なんてこと、実際あると思いますか?

属人性が高いということは、再現性を持って取り組んでも一定水準以上には成果が出ないということです。
同じスライドや資料で説明したからと言って、それが患者全員に当てはまるわけがありません。更に、当てはまったとて、全員が同じ契約率には決してなりません。
当たり前ですが、契約率が最も高いのは、自費の意向がある患者に対して、コンサル業務を得意な人間が行なった時です。
私が思う、自費率や契約率を一人で高水準で保てる規模ラインはドクター2人迄です。それ以上にするなら、全員ではなく1名、真剣に育てるべきだと思います。

歯科医院は女性スタッフさんがメインの為、結婚や出産・育児などで退職となるケースは確かに多いです。
そのため、属人性に偏った組織編成はしたくないのも重々理解できます。
しかし、良い所取り、というのは正直難しく、かなり努力をしなければいけません。
(できないというとこではなく大変!)
それこそ、自費率・契約率を高水準に保つためには以下が考えられます。

①開業当初からそういうモデルにする
②そういった医院を分院としてつくる
②今のシステム・患者さんを一度なくすことを覚悟して改革する

私がサポートさせていただいているクリニックさんで例を挙げます。
A医院さんの場合。チェア3台でドクターは院長のみ、自費率は8〜9割です。開業当初から自費を考慮した設計にしていたため、そもそものマーケティングも自費に寄せており、この水準を保てています。
逆に、チェア9台でドクターが4人いるB医院さんの場合。基本は保険で集患し、全員(補綴コンサルはDA・DHが行い、インプラントや矯正はドクター)がコンサルを行います。自費率は(元々2割なので上がりましたが)4割超え程です。例外もありますが通常ならいっても5〜6割が限界だと思います。

いかがでしょうか。
拡大後の路線変更はマーケティングやそもそものシステムからやり直す必要もあり、なかなか一筋縄ではいきません。
ある程度までは属人性に頼らずとも自費率も引き上げられます。ですが、人に頼らずそれ以上を求めるのならば、本気で・覚悟を決めて、です。
足し算だけではどうにもできないこともあります。時には大きな引き算、強いては崩壊レベルの破壊が必要になります。
そうなると期間もそれなりにかかります。
逆に言えば、覚悟を持って改革ができれば、達成は大いに可能だと思います。
一概には言えませんが、参考になれば幸いです。

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