悲しいことに、TCが育たない理由を
「センスがない」「向いていない」
と片づけてしまう医院は少なくありません。
確かに、カウンセリング業務は属人性の高い業務です。
しかし、これまで多くの現場を見てきて断言できることがあります。
本人の素養もありますが、TCの成長は「教え方」で決まるということです。
逆に言えば、教え方さえ設計できていれば、TCは育ちます。
TC教育は、根性論でも場数だけでもありません。再現性はもちろん、伸ばす設計が必要です。
今回はそこを深掘りします。
TC教育で最初にやるべきことは、勉強でもロープレでもありません。
TCの役割定義を明確にすることです。
・TCは何を担うのか
・どこまで責任を持つのか
・ゴールはどこか
これが曖昧なままでは、TCは常に「これで合っているのか?」と迷い続けます。
いきなり「売上を上げることが目的」となれば、誰だって不安に駆られて当然と言えます。
そもそもTCの目的は売上ではありませんから。
いざ教えるとなると、説明トークや言い回しから教えたくなりがちです。
しかしそれは後回しでも全く問題ありません。
それこそ、治療内容の勉強は別にどこでも一人でもできます。
・資料を読む
・動画を見る
・ネットで調べる
などでも、知識を増やすだけならば、やる気さえあればいつでもどこでも容易にできます。
それよりも先に教えるべきは
・なぜこの説明が必要なのか
・なぜこの診断になったのか
この思考の背景です。
ここを理解していないTCは、言葉を覚えても現場で応用できません。
数学でも、式がわからないまま回答だけ教えても、意味ありませんよね?
だから私は、ドクターと一緒に治療計画を立てることを推奨しています。
ドクターの治療の思考の理解、これが何より重要です。
治療の内容よりも「だからこれが必要なんだ」という、考え方の理解です。
どんなTCでも必ず「できるようになったのに決まらない」という停滞期を迎えます。
この時期に「この人は向いていない」と判断するのは早すぎます。
停滞期、この時にどうするかが勝負!
この時期に
・振り返りの場がある
・否定されない環境がある
これがあるかどうかでTCのモチベーションは大きく左右され、将来にも影響します。
TCは医院の誰よりも、費用・不安・人生の選択に言語化した状態で向き合う仕事です。
にもかかわらず、
・相談できる相手がいない
・失敗を共有できない
・判断をすべて背負わされる
この状態では、どんな人でも潰れます。私もしんどい時期がありました。
TCが育つ医院は必ず振り返りと相談の場があります。「一人じゃないよ」を伝えないと、孤独では頑張れません。
面倒くさがらずに、丁寧にフィードバックをする仕組みを設けてください。
はっきり言ってこれが最も大切です!
肝心のフィードバックシステムですが、以下のようにできると理想的です。
TCは一件一件しっかりと記録をつけます。具体的には、「時期」「提案した治療計画の内容」「費用」「やりとり(ネックなど)」「結果(検討・契約など)」「自分自身の気づきや反省点」です。
そこに対して良かった点や改善点のフィードバックを貰います。そのため、やり取りの内容や自分自身の気づきは特に詳細を記録します。
フィードバックする側は、良かった点8割、改善点2割のように、モチベーションが維持できるように心がけてください。良かれと思って全て指摘ばかりだと、途端に自信をなくします。
成果が出るTCに共通しているのは、実は単純なトーク力だけではありません。
・患者さんの言葉を待てる
・沈黙を怖がらない
・判断を急がせない
こういった相手の意思決定を尊重する姿勢です。簡単に言えば「寄り添い力」です。
この姿勢は、詰め込み教育では決して身につきません。
元々の素養もないとは言い切れませんが、「どう対応されたら自分なら嬉しいか?」考える教育がTCを育てます。
散見されるのが、TCが育たない原因を個人の問題にしているケース。そんなことをしても状況は一向に変わりません。
TC育成とは、
・役割の明確化
・思考の言語化
・振り返り(フィードバック)の仕組み
この構造を作ることです。
できる人を探すのではなく育つ仕組みを作る、それができた医院にだけ、自走するTCは生まれます。どれだけ速い電車も、線路がないと走れないんです。
必要なのは構造の見直し、やめるべくは個人の問題化です。TC育成の問題は自院の問題と捉えてください。
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