普段、どのような視点を持って面接されていますでしょうか?
即戦力となる経験者が欲しい、それは当然のことと思います。
しかしながら、それで組織を壊すことに繋がっても意味がありません。
履歴書や職務経歴書を見れば、経験や資格はある程度わかります。
ですが、一緒に働く上で本当に重要なのは、能力や経験よりも人柄考え方です。
能力が低い人を選別するのではありません。
どれだけ能力が高くても、組織に馴染めなければ、その能力を十分に発揮することはできません。
注意・見るべきポイントは正直たくさんありますが、限られた時間で全ては無理です。
だから私は、面接で必ず2つのポイントを確認します。
それに準じた質問をすることで、その人の本質を見極めます。
その2つとは一体何か?私が実際に見ているポイントをご紹介します。

<素直さがあるか>
私が一番大切にしているのが「素直さ」です。
これがないと、いざという時に周囲と協力することも難しくなります。
前職のやり方に固執する人。「自分はこうしてきた」と譲れない人。
もちろん経験は大切です。
しかし、それぞれの環境で、その組織ならではの考え方やルールがあります。
そのため私は、
「意見が対立した時にどうしてきましたか?」
「やりたくない業務を任された時、どうしてこられましたか?」
「話し合いで解決した経験はありますか?」
といった質問をします。
聞くポイントは「どうしますか?」ではなく、過去形で「どうしてきましたか?」です。
過去にできなかったことが、入職後に急にできるとは考えにくいのです。
相手の意見を受け止められるかを、過去の実績として見ています。

誤解のないように言いますが、素直さとは、「何でも言うことを聞く人」ではありません。
自分の考えを持ちながらも、相手の意見を一度受け止められる人、改善できる人、他責にしない人です。
「なるほど。そういう考え方もあるんですね。」
そう言える人は、成長スピードも非常に速いです。
私の経験上、周りからの信頼も厚いです。
なぜなら、建設的な話がその人とはできるからです。
逆に、最初から否定したり比較ばかりする人は、
どれだけ能力が高くても認められづらく、組織では苦労することが少なくありません。
「でも」「だって」「無理です」「できません」を先立って言ってしまう人とは、誰も会話をしたくないものです。
このように最初から否定や言い訳ばかりする人は、他責思考の傾向が見られることがあります。
今できることの多さよりも、人としての信頼の方が長い目で見て重要です。

<見るのは60%の姿>
面接では、誰でも普段以上に頑張ります。
120%を出そうとするのは当然です。
ただ、人はずっと120%では働けません。
100%以上を出し続けることは、現実的には不可能です。
「面接ではあんなに良かったのに、入職後に思っていたのと違った」なんてこと、ありませんか?
だから私は、「この人は普段はどんな人なんだろう」という視点で見ています。
私の評価基準は、120%ではなく、60%の状態です。言い換えれば、普段の姿、価値観がわかる状態です。
疲れている日。忙しい日。誰も見ていない日。その時にどんな行動を取る人なのか。
そこにその人の本質が表れます。

そのため、私はできるだけ堅苦しくならない面接を心掛けています。
雑談をしたり、笑いが出るような雰囲気を作ったり。
緊張が少し解けた時の表情や言葉遣い。
ふとした時の接し方。
素が聞き出せる質問に対しての回答。
質問・回答が終わった後の態度。
そういった何気ない場面の方が、その人らしさはよく見えます。
一見、良さそうな人はいらっしゃいますが、演技が上手い人も当然います。
面接とは、演技を見る場ではありません。
演技ではない、素を知るための時間だと思っています。

もちろん、面接だけで100%見抜くことはできません。
だからこそ、「良く見せる言葉」ではなく、「普段の行動」が見える質問をします。
例えば、
「仕事で一番失敗した経験を教えてください。」
「最近、誰かから注意されたことはありますか?」
「忙しい時ほど意識していることは何ですか?」
「職場ではどんな人だと言われることが多いですか?」
このように、過去の具体的な出来事を聞くと、作られた答えではなく、その人の価値観や行動パターンが見えてきます。
特に、想定外の質問に対しては、その人の過去の経験からでしか回答できません。
採用で失敗しないためには、 能力よりも 「一緒に働いている未来が想像できるか」の方が重要だと思っています。

余談ですが、面接時に「自然体」を勘違いして、最初から頑張る姿勢すら見えない人もいます。
先述の通り、面接では、誰でも普段以上に頑張ります。120%を出そうとするのは当然なんです。
一方で、頑張る素振りすら見せない人。
「私服で構いません」と言われ、清潔感のある服装を選ぶ人と、本当に普段着で来る人がいます。
私は後者を高くは評価しません。
なぜなら、面接という、本来であれば人生を左右する可能性のある場面で頑張れない人は、今後もここ一番で頑張れないからです。
言い方が厳しくなりますが、そういう人がいると、頑張っている他の人に多大な迷惑がかかります。
最悪の場合、そういう人のせいで頑張ってくれているスタッフが辞めていくのです。
同様に、履歴書の汚れ、折れ、写真の撮り方・貼り方、誤字脱字、修正液などを使っていないか、等もしっかり見ます。
内容ではありません。これがその人の「普段の姿勢」であると、私は判断します。

<私が面接時に聞く質問まとめ>
「素直さ」「60%」両方見る質問
・最近、誰かに注意されたことはありますか?その後どうしましたか?
・自分の意見が採用されなかった時はどうしましたか?
・仕事で一番失敗した経験を教えてください。その後どう改善しましたか?
・疲れている時や忙しい時、自分はどんなタイプだと思いますか?
・一緒に働きづらかった人はどんな人でしたか?その人とはどのように接してこられましたか?
・職場ではどんな人だと言われることが多いですか?
・感情的になってしまった出来事はありますか?その時どう対応しましたか?

【「素直さ」を見る質問】
・意見が合わなかった時、どう解決しましたか?
・やりたくない業務を言われたらどうしてきましたか?
・話し合いで解決した経験はありますか?
・今までで一番納得できなかった注意は何でしたか?
・今まで一番成長できたと思う出来事は何ですか?
・職場における、今まで一番嫌だったことは何ですか?

【「60%」を見る質問】
・誰かを認めたと感じた時はどんな時、自分と比較してどうでしたか?
・認められたと感じた時はどういった時でしたか?
・ストレスの発散方法はありますか?
・忙しい時ほど意識していることは何ですか?

いかがでしょうか。採用で重要なことは、「経歴や能力で判断すること」ではありません。
「医院の理念や文化に合い、長く活躍してくれる人を見つけること」です。
そして、「組織を壊す人を篩い分けすること」です。
私が面接で見るのは、「素直さ」と、120%ではなく「60%の姿」です。
入職後の目標や意欲はもちろん大切ですが、雰囲気や話術が上手いだけの人はいくらでもいます。
ですが、それ以上に参考になるのは、「これまでどう行動してきたか」です。
過去の実績は嘘をつきません。だから私は、「何を言う人か」ではなく、「何をしてきた人か」を見ています。
採用は、履歴書よりも「過去の行動」を見ること。
私は、その積み重ねから本質を判断しています。
是非、参考になさってください。

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