営業と聞くと、「話が上手い」「押しが強い」「クロージングが上手い」、そんなイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかし実際には、営業には様々な考え方や手法があります。
相手について詳しく知る。
質問によって課題を深掘りする。
相手自身に問題へ気付いてもらう。
意思決定に必要な条件を整理する。
相手が知らなかった視点を提供する。
そして面白いのが、これらの多くが歯科のカウンセリングにも応用できること。
もしかすると皆さんも、知らないうちに使っているかもしれません。
今回は代表的な営業手法の中から、歯科カウンセリングにも活かしやすい5つをご紹介します。
【Fact Finding「まず、相手を知る」】
まずは「Fact Finding(ファクトファインディング)」です。
簡単に言えば、提案する前に相手の現状や背景、ニーズ、課題などを質問によって把握していく考え方です。
単に要望を聞き取るだけのヒアリングとは異なり、深く掘り下げる点が特徴です。
例えば「歯を白くしたい」という患者さん。
すぐにホワイトニングの説明をするのではありません。
なぜ白くしたい?いつから気になっている?
何かきっかけがあった?どの程度白くしたい?
いつまでに白くしたい?誰かから言われた?
同じ「歯を白くしたい」でも、その背景は患者さんによって全く違います。
良い提案をするためには、まず相手を知らなければなりません。そのための前準備です。
【SPIN Selling「質問で深掘りする」】
次は「SPIN Selling(スピンセリング)」、質問によって患者さん自身にも考えてもらい、「説明する」から「気付いてもらう」へ持っていく手法です。
SPINでは質問を、
Situation=状況質問
Problem=問題質問
Implication=示唆質問
Need-payoff=解決質問
という4種類に整理します。
例えば「奥歯が1本ない」という患者さん。
「インプラントがおすすめです」と、いきなり説明するのではありません。
「この状態が続くことで、他の歯にも影響が出たら、どう感じますか?」というように、ポイントは、こちらが一方的に問題を説明するだけではなく、相手に気づかせ、質問に答えさせることです。
【Consultative Selling「一緒に解決する」】
続いて「Consultative Selling(コンサルティブセリング)」。
商品ありきで営業するのではなく、相手の課題やニーズを理解したうえで、その人に合った解決策を考えていく方法です。
歯科であれば、「セラミックを売る」「インプラントを売る」「矯正を売る」これが目的ではありません。
この患者さんは何に困っている?
本当はどうなりたい?
何を不安に感じている?
何を大切にしている?
それを理解した結果として、その人に必要な治療をご提案する。
「治療を売る」のではなく、「相手の問題を一緒に解決する」。
これも営業における一つの考え方です。
【Sandler「意思決定の条件を整理する」】
「Sandler Selling System(サンドラーセリングシステム)」という営業手法もあります。その中には、
Pain=抱えている問題
Budget=予算
Decision=意思決定
など、意思決定の状況を確認していく考え方があります。歯科でも、
「一番心配されていることは何ですか?」
「費用についてはどうお考えですか?」
「ご家族には相談されますか?」
こうした情報は重要です。
何も確認しないまま最後に金額だけ提示して、「どうされますか?」では、患者さんも判断しにくい。
クロージングだけで契約が決まるわけではありません。
そこに至るまでに、意思決定に必要な条件を一緒に整理しておく、これも大切なプロセスです。
【Challenger Sale「新しい視点を届ける」】
そして「Challenger Sale(チャレンジャーセール)」。相手が持っていなかった新しい視点を提供し、その人に合わせて情報の伝え方を変えていく営業手法です。
代表的な考え方としては、
Teach=新しい視点を与える
Tailor=相手に合わせる
Take Control=意思決定のプロセスを適切に導く
があります。
例えば「痛くないから大丈夫」と考えている患者さん。
単純に「治療しましょう」と勧めるのではなく、「歯科では、状態が進むほど治療の選択肢が少なくなることがあります」と、患者さんが知らなかった視点を提供する。
さらに20代、40代、60代では、生活背景も将来への考え方も違います。
それらを考慮した手法になります。
ここまで読んでお分かりの通り、これらの手法は一つで完結するものではなく、繋ぎ合わせることでより効果を発揮します。
また、「これ、普段のカウンセリングでもやっているかも」と思った方もいるのではないでしょうか。
もちろん、営業と医療は同じではありません。
しかし、
相手を知る・問題を深掘りする
本人にも気付いてもらう
その人に合った解決策を考える
意思決定に必要な条件を整理する
新しい視点を提供する
というコミュニケーションには共通する部分があります。
営業手法とは、必ずしも「どうやって売り込むか」だけの技術ではありません。
相手を理解し、意思決定を支援するための考え方として見ると、歯科でも参考になる部分は多いと思います。
私は歯科業界に入る前、10年以上営業の仕事をしていました。
その後、歯科医院で約5年間勤務し、TC、事務長、マネージャーなどを経験。
営業で培った「人が意思決定するまでの考え方」と、歯科現場で経験してきた「患者さんとの向き合い方」。この両方が、現在の私の自費カウンセリングのベースになっており、訪問でもセミナーでも教えています。
だからこそ、感覚で「なんとなく上手くいくカウンセリング」ではなく、成果につながる理由を説明できるのだと思います。
実際、先日プライベートセミナーでも「これほど理論ベースだとは思わなかった。言語化できていてすごい」と嬉しいお言葉をいただきました。
もちろん、訪問でもセミナーでも、営業理論そのものを教えているわけではありません。
私が営業と歯科の現場で培ってきたものを、歯科のカウンセリングで実践できる形にわかりやすく落とし込んでいる。
だから「何を言えば売れるか」ではなく、「なぜそうするのか」までお伝えしています。
いかがでしょうか。
営業手法と聞くと、「相手を説得して売るためのテクニック」という印象を持つ方もいるかもしれません。
しかし、今回ご紹介した方法を見ていただくと、それだけではないことが分かると思います。
相手を知る。問題を深掘りする。一緒に解決策を考える。意思決定の条件を整理する。
そして、相手に必要な情報や新しい視点を届ける。
これらは、私が自費カウンセリングで大切にしていることでもあります。
そして、その全ての土台にあるのが「信頼」です。
営業経験と歯科現場での経験を、患者さんとのコミュニケーションに落とし込む。
感覚だけではなく、理屈を理解するから再現できる。
心理学や営業理論とも共通する考え方を、実践的な内容に落とし込んでいる。
それが訪問サポート、そして「自費コンサル力即日UPセミナー」でお伝えしているカウンセリングです。
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